潰瘍性大腸炎・クローン病について?

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潰瘍性大腸炎・クローン病について? 2017-07-14T17:04:12+00:00

潰瘍性大腸炎・クローン病について

潰瘍性大腸炎、クローン病は完治しにくいため、一生付き合っていかなければならない病気です。直ったと思ったらまた悪くなったり、薬を大量に飲まなければならない、定期的に受診しなければならない、などなど、数ある病気の中でも治療に根気が必要なタイプの病気であると思います。でも以前に比べれば治療法がたくさん増えたので、よくなるチャンスも増えました。僕が医師になりたての頃(平成になってすぐ)は潰瘍性大腸炎でステロイドが効かなければすぐに手術! クローン病は絶食で数ヶ月入院し、退院時にエレンタールを重くて持てないほどどっさり持って帰る!のが当然でした。現在はまだ完治する治療法はないにしても、学生生活がエンジョイでき、社会人としての仕事、責任を充分はたせることができ、妊娠、出産も多くの場合可能となりました。但しご本人が直るために一生懸命努力しても、経過が悪いこともあります。当院は いったん病気になっても患者の皆さんがよりよく生活できるようにほんのチョットですが医療の面から支えて行きたいと考えています。なお入院施設はないので 入院が必要な病状の時は、大分赤十字病院、アルメイダ病院、大分大学付属病院、大分県立病院などに紹介いたします。クリニックの良い点を生かし、親しみやすくて、治療や検査に来たときにホッとなごめるようなクリニックにしていきたいと思っています。患者皆様の声を良く聞き、常に改善、前進していくつもりです。どうぞお待ちしております。

炎症性腸疾患:Inflammatory Bowel Disease: IBD

炎症性腸疾患(IBD)は原因不明で、消化管:小腸や大腸に潰瘍ができ 発熱、下痢、腹痛、体重減少、下血などが主な症状の病気です。潰瘍性大腸炎とクローン病がその多くを占めます。欧米諸国に多く日本では以前は稀な病気でしたが年々患者数は増加し、2014年時点で潰瘍性大腸炎:16万人 クローン病:4万人となっています。今後も患者数の増加が見込まれています。原因が不明ですが発症に免疫異常が関係するため症状は腸だけでなく 口内炎、関節痛、皮膚疾患、腎結石 胆道結石など全身に症状がでることもあります。IBD患者さんの多くは残念ながら10歳ぐらいから30歳ぐらいまでの進学、就職、結婚、出産などの人生で重要なイベントの多い時期に発症します。かってはよい治療法がなかったため、いったん発症すると 病状がよくなったり、悪くなったりすることを繰り返していました。原因が不明で完治せず、慢性疾患で継続した治療が必要なため 指定難病制度による国からの医療費の助成制度もあります。

 

潰瘍性大腸炎:Ulcerative colitis: UC

大腸に潰瘍ができ 腹痛、下痢、血便、粘液便がでる病気です。主な治療は内科による薬物療法ですが病状が急速に進んだり、なかなか直らず進学や就職などに支障が出るときは外科手術でなおすこともあります。

クローン病:Crohn’s disease: CD

小腸や大腸に潰瘍ができ、腹痛、下痢、体重減少、発熱などがおこる病気です。また肛門に直りにくい痔ができ、そこから膿が出る(痔ろう)ことが特有の症状です。深い潰瘍ができるため腸が狭くなる(狭窄)、穴ができて腸同士がくっつく(癒着)、穴でつながる(ろうこう)、膿がたまる(膿瘍)など症状に特徴があります。治療は潰瘍性大腸炎と同様に内科による薬物療法ですが、狭窄、ろうこう、膿瘍などを起こした場合は外科手術を受けなければならないこともあります。

検査方法

採血検査、便の培養、内視鏡検査(胃カメラ、大腸カメラ、小腸カメラ)、腹部エコー、CT、造影剤をチューブより投与してレントゲン写真をとる(小腸造影検査)などがあります。当院では採血、便の培養、胃カメラ、大腸カメラ、小腸カプセル内視鏡、腹部エコーが検査できます。問診やこれらの検査結果を総合して、UCやCDであるか判断します。また内視鏡検査により腸の状況を把握して治療を選びます。

治療方法

代表的な飲み薬としてメサラジン製剤(ペンタサ、アサコールなど)、サラゾピリン、ステロイド(プレドニン)、免疫調節剤(アザニン、イムラン、プログラフ)があります。ペンタサ、アサコールは他の治療薬に比べて副作用が少ないので基本の薬として飲みます。プレドニン、アザニン、プログラフなどは副作用が比較的多いので 必要な場合のみ充分注意して使用します。また生物学的製剤(レミケード、ヒュミラ)はステロイドや免疫調整剤に比べて副作用が少ないうえに良く効く治療法です。また白血球除去療法は安全性で最も優れた、副作用の少ない治療法です。但し効果はステロイドや生物学的製剤に比べるとゆっくり発揮されてきます。またクローン病においては栄養療法(エレンタール、ラコールなど)を一緒におこなうことがお薬の効果を高めます。これらの治療法を一人一人の病状や程度、社会的な状況(学生なのか、就職しているのか、妊娠希望なのかなど)に合わせて選んでいきます。