2020/10/19 ステラーラUC適応拡大記念Web Seminar
難治性潰瘍性大腸炎に対するウステキヌマブ(ステラーラ)の有用性と今後の展望
札幌厚生病院 副院長兼IBDセンター長 本谷 聡先生 講演
日本で非常に多くの炎症性腸疾患の患者さんを診ているハイボリュームセンターの一つの本谷先生が今回は潰瘍性大腸炎におけるステラーラの使用方法を解説してくれました。潰瘍性大腸炎に対して抗TNF-α抗体の代表であるレミケードを投与するとよく効きます(60%に有効)がそれでも40%程度の患者さんに全然効果がありません。最初によく効いた患者さんでも4年たつと約半数弱の方が別の治療に変更になっています。投与した患者さん全体では4年で投与継続している方は30%ぐらいです。このように潰瘍性大腸炎では抗TNF-α抗体以外のお薬も必要です。ステラーラは投与後2カ月後にすっかり良くなる方(寛解)50%、ちょっとでも良くなった方(有効)80%で、他のバイオ製剤で効果がなくなった患者さんにも有効です。中等症でもやや重いかたにも使用可能です。維持治療では8週投与で効果が高いので特に他のバイオ製剤を投与した患者さんにはまずは8週間隔で維持治療し、寛解を長期に維持できれば12週に伸ばすとよいでしょう。