2020/10/6 潰瘍性大腸炎インターネットライブセミナー
潰瘍性大腸炎に対するステロイド治療の現在地
北里大学北里研究所病院 炎症性腸疾患先進治療センター 副センター長 小林 拓先生
日本の炎症性腸疾患診療のリーダーの一人である小林先生が潰瘍性大腸炎に対するステロイド治療を改めてまとめてくれました。ステロイドは潰瘍性大腸炎の中等症以上の患者さんに対して まず最初に使用するお薬でよく効きますが副作用が多いのが欠点です。お薬をやめても元に戻らない副作用として骨粗鬆症、白内障 骨折があります。ステロイドを服用するときは十分量を飲みます(外来では6錠から8錠)。最初に十分量を飲んだ方が結局早くステロイドを終了できます。 飲み始めたら 3日~1週間で効果がなければすぐに中止し治療を変更します。減量はスケジュール通り(だいだい5㎎~10㎎:1錠~2錠/1週~2週)に行い長くても3か月以内に必ず中止します。ステロイドがよく効いて減量中または終了後に再燃する患者さんがいます(ステロイド依存例) 2回目にステロイドを投与するときは再燃予防にイムランを併用します。それでも再燃する患者さんはバイオ製剤を使用したほうがよいでしょう。