2020/11/12 ステラーラUC適応拡大記念Global Web session

Potential of Stelara as a Treatment Strategy for IBD

札幌医科大学消化器内科教授 仲瀬 裕志先生 司会

 

札幌医科大学の仲瀬先生が司会をしてイタリアのArmuzzi先生がステラーラの炎症性腸疾患治療における立つ位置を講演してくれました。潰瘍性大腸炎やクローン病は炎症がしっかりコントロールされないと病態が変わっていく疾患です。生物学的製剤の登場で治療のレベルは以前より相当良くなりましたがそれでもお薬が最初から全然効かない患者さん(1次無効)が10%~40%いて 最初は効果があっても後にだんだん効かなくなってくる(2次無効)患者さんが年に15%~20%でできます。炎症性腸疾患の治療目標は粘膜治癒ですが生物学的製剤を使用しても約50%患者さんが達成できず クローン病で痔瘻のある方も約50%が完全には治っていません。ステラーラはクローン病においては抗TNFα抗体が無効になった患者さんにも使用すると長期に70%ぐらい効果が持続します。病状が中等度で関節痛や皮膚疾患のある患者さんに使用するとよいでしょう。肛門病変にはレミケード ヒュミラには及びませんがエンタイビオより効果があります。潰瘍性大腸炎ではやはり中等症で生物学的製剤をまだ使用していない患者さんが最もよく効きますが 以前にいろいろな生物学的製剤などのお薬を使用した後でも効果があり、イムランの併用は必要なく 長期に効果が持続します。