2020/11/2 潰瘍性大腸炎Webセミナー in 九州

新しい時代を迎えたUC(潰瘍性大腸炎)の内科治療

~ウステキヌマブ(ステラーラ)の治療成績を踏まえて~

JCHO東京山手メディカルセンター炎症性腸疾患内科診療部長 吉村 直樹先生 講演

 

単一施設で3000人以上を診療している(日本の炎症性腸疾患患者さんの1%!!)というハイボリュームセンターの中のさらにハイボリュームセンターのJCHO東京山手メディカルセンターですがその施設の中心人物である吉村先生が潰瘍性大腸炎におけるステラーラの使用方法を解説してくれました。潰瘍性大腸炎の治療目標は完全粘膜治癒と大腸切除術を受けないようにすることです。生物学的製剤はステロイド難治例が適応ですがステロイドの効果は中等症であれば2週間程度で判定します。ステラーラがよく効く患者さんは入院するほどまで重症でない外来で治療可能な中等症の患者さんです。イムランは一緒に服用する必要はありません。ステラーラのメリットは抗原性が低くて抗薬剤抗体が作られにくい(効果減弱しにくい)、2回目の投与以後は投与間隔が2か月毎か3か月毎なので利便性が高いことです。1回投与して少しでも効果があった患者さんは4か月目には90%以上のかたに効果がでています。その半面1回投与後1か月してもぜんぜん効果がない場合は治療変更が必要です。潰瘍性大腸炎において生物学的製剤の使い分けに関しては レミケードは中等症から重症で深い潰瘍があるような炎症が強い患者さんに使用します。ステラーラ シンポニー ヒュミラは中等症の患者さんで使用方法に応じて患者さんの好みに合わせて選択します。エンタイビオは軽症から中等症で合併症の多い高齢の患者さんに使用します。