2020/12/11 ヒュミラInternet Live Seminar

抗TNFα製剤によるIBD治療マネジメント

浜松ろうさい病院 花井洋行 先生 司会

 

花井先生が司会をされ 潰瘍性大腸炎を浜松医科大学の杉本先生 クローン病を東邦大学佐倉病院の松岡先生が講演してくれました。潰瘍性大腸炎では以前のお薬は炎症を広く抑えるのに対し最近の薬剤は標的を絞ったものが増加してきました。潰瘍性大腸炎で炎症の強い患者さんはプログラフやレミケードでの治療が必要です。中等症の患者さんでは最初にヒュミラを使用しその後効果がなくなってレミケードに変更してもよく効きます。潰瘍性大腸炎で治りの悪い方の中には組織に白血球のうちの一つである好酸球が増加している時がありそのさいはステロイドがよく効きます。慢性持続している時は一度顕微鏡を覗いてみるとよいでしょう。クローン病では患者さんにとって最も大切なのは「病気のために何かをあきらめなければならない」を作らない、「病気があっても病気を発症する前と変わらない生活を長期におくれる」です。この目標を目指して治療しますが 粘膜から潰瘍が完全になくなり、症状がなくなり、ステロイドを使用しなくてよくなればこのような生活になるでしょう。このためには 病状だけでなく客観的な指標(クローン病では日本ではCRP, 可能性としてLRG)を用いて病態を評価し治療を適切に変更していくことが大切です。粘膜が完全になおれば将来入院や手術が減るのですが内視鏡検査(大腸カメラなど)をいつもいつも行うことはできないのでCRPなどを用います。痔瘻があったり体重減少などの強い症状のあるクローン病の患者さんは最初からヒュミラ レミケードを使用した方が良いですが 症状が中等症で狭窄や瘻孔がなければステロイドから治療をはじめてもよいです。その際は頻回に管理して改善がなければ いつの間にか病状が進んでしまう前に早めにヒュミラ レミケードに変更しなければなりません。