2020/12/21 Takeda IBD全国Webセミナー

べドリズマブによるクローン病 ~最新の知見から見える可能性~

東北医科薬科大学 医学部 内科学第二 講師 遠藤 克哉先生 講演

 

東北大学の遠藤先生がクローン病治療の新しい情報とそれに基づいたクローン病治療の提案をしてくれました。抗TNF-α抗体(レミケード、ヒュミラ)は炎症の最前線で効果を発揮するのに対しステラーラやエンタイビオは炎症の上流を抑制します。エンタイビオがクローン病においてよく効く条件は 手術がなく 痔瘻 瘻孔がなく 腸管外合併症がない 抗TNF-α抗体を使用する前で 炎症が軽い(CRP:低値、Alb:低値でない)。発症5年以内に使用開始すると腹部手術が減り、肛門病変にも一定の効果があります。一度効果があると2年の観察ではレミケードより効果減弱 副作用が少なかったです。エンタイビオの利点は副作用が少ないので感染症や悪性腫瘍が懸念される方に使用できるところです。 抗TNF-α抗体(レミケード ヒュミラ)はクローン病のエンタイビオの2次無効患者に対して2番目に使用した場合 1番目に使用した場合と同じ程度の効果があります。クローン病患者さんでエンタイビオが効かないのは 瘻孔がある 小腸に広い病変がある 肛門病変がある 潰瘍が深いなどの場合です。炎症が強く 小腸にも潰瘍があり 痔瘻 外瘻などがあり 腸管外合併症がある患者さんはレミケードがよいでしょう。