2020/12/4 Crohn’s disease web seminar

クローン病肛門病変の治療変化

家田病院副院長 IBD部長 太田 章比古先生 講演

 

今回はクローン病患者さんを500人も診ている、クローン病の肛門治療で全国でもとても高名な家田病院の太田先生にクローン病の肛門病変について講演していただき小生がその司会をしました。肛門病変も最初は内科で治療できますが複雑になると外科治療が必要です。膿を繰り返すようになるとシートンを入れてその後レミケード(インフリキシマブ)やヒュミラなどの生物学的製剤(Bio)の投与が必要になります。肛門病変の症状がでてから早期(1年以内)にBioを投与したほうが効果があります。長期にみるとインフリキシマブは平均3年ぐらいで50%の方が増量することになります。Bioには現在ステラーラやエンタイビオがありますが肛門病変には抗TNF-α抗体:レミケード(インフリキシマブ)やヒュミラが最も有効です。ステラーラは長期に再燃しにくいので抗TNF-α抗体を使用して安定している時期に変更することが可能です。クローン病の肛門病変は早期に的確に治療することにより肛門を狭くしないようすることが大切ですが直腸肛門狭窄ができたときは狭窄拡張術が必要です。また肛門病変がなかなかよくならず炎症が10年以上続いた場合 肛門部癌が発生することがあります。狭窄してから気づくことが多く早期発見が大変困難でまた発症すると進行していることが多く治療困難な癌です。治りが悪い肛門病変 痔瘻があるクローン病患者さんは肛門の専門の先生に定期的に診察してもらうことが必要です。