2020/7/22 レクタブルWeb講演会  明日からの診療に役立つ潰瘍性大腸炎治療のコツ

東邦大学医療センター佐倉病院 内科学講座 教授 松岡 克善先生

この講演は 松岡先生が症例形式で潰瘍性大腸炎の日常診療に役立つコツを講演してくれました。(新しい発表方法で面白かったです)例えば中年以後発症した潰瘍性大腸炎の患者さんの一部に禁煙後数年してから発症する例があるそうです。確かに筆者も経験しています。喫煙を再開させるとよくなるそうですが健康全体のことを考えると再喫煙はお勧めできませんね。また感染性腸炎のうち血便が持続して再発するのはアメーバ腸炎ですのでこの病気のことを頭の片隅に置いておくことが必要です。潰瘍性大腸炎は血便が慢性に持続するのでいつ頃からかだんだんとその症状を自覚するようになった方が多いようですが、それに対し感染性腸炎はある日突然血便がでたというような発症時期がはっきりしていている感じです。治療について、ステロイド(プレドニゾロン)は寛解導入に十分量投与し 効いても効かなくても必ず中止する。筆者もこのことは厳守しています。5-ASA製剤(リアルダ、ペンタサ、アサコール、サラゾピリン)も十分量投与し症状改善が今一つなら局所製剤(坐薬 注腸剤)と併用します。 また5-ASA製剤投与中に再燃した場合はお薬の飲み忘れがないかチェックすることが大切です。長期になるとどうしても飲み忘れがでてくるものです。これは仕方ありません。1日1回で服用してもよい、朝ご飯を食べなくてお薬だけ服用してもよい、服用する時間は朝昼夕いつでもかまわないとか工夫して飲み忘れを少なくすると再燃しにくくなります。レクタブルは注腸製剤ですがやや硬い泡でこれまでの注腸製剤のように注入しても刺激になってすぐ出てしまうところがなくなりとても使用しやくすなっています。使用は朝夕2回が原則ですが 時間はいつ使用してもOKです。1回でも構いません。ステロイドですが副作用が少ないので安心して使用でき効果もこれまでの注腸剤より優れています。但し連続して使用するのは6週までがよいでしょう。