2020/8/19 Takeda IBD 全国Webセミナー

潰瘍性大腸炎治療の新展開

~べドリズマブのリアルワールドデータも含めて~

東京医科歯科大学 消化器内科 医学部内講師 藤井 俊光先生 講演

 

今回の講演は藤井先生がエンタイビオ(べドリズマブ)だけでなく他の薬剤の特徴、文献に基づいたそれぞれのお薬の効果の比較 新しい薬剤のことなどを解説していただきました。まず2019年の推計では日本において潰瘍性大腸炎22万人 クローン病7万人に達したそうです。ゼルヤンツは経口剤で生物学的製剤と同様の効果があり即効性があるのが特徴で投与3日目から効果が出る患者さんもいます。但し20㎎(4錠)を毎日長期に服用すると感染症(特に帯状疱疹)が増加します。帯状疱疹に対しては不活化ワクチンがでるようなので免疫抑制治療を行う方にはこれで対応するとよいでしょう。エンタイビオはヒトの部分が一部含まれている抗体であるが効果減弱の原因となる抗薬物抗体ができにくい。長期に効果が安定して副作用が少ないのがお薬の特徴です。この薬にあった患者さんは 入院するほど症状が強くなく外来受診が可能な方 ステロイドやイムランが副作用での飲めない方などがよいようです。投与したら症状が悪化しなければ半年ぐらいまで治療を継続して効果があったか判定します。現時点での潰瘍性大腸炎の大規模治験の結果を間接的に比較したデータ(新しい文献が出るとこの結果は変わることがあります)では 生物学的製剤をまだ使用していない患者さんには 最初に使用するお薬はレミケードかエンタイビオで、レミケードが効果なくなった時にはステラーラかゼルヤンツがよいとの結果でした。