2020/8/25 ステラーラUC適応拡大記念Online Expert Meeting

ステラーラがクローン病に加えて潰瘍性大腸炎(UC)に使用できるようになりました。今回はその適切な使用方法を考えるため6人のエキスパートが討論しました。聴講したものもまとめて示したいと思います。抗TNFα抗体:レミケード ヒュミラ シンポニーの使い分けですがレミケードはやはり症状の強い重症例 早く良くしたほうが症例にぴったりです。ヒュミラは最初の効果が強くありませんが最初の頃をのりきれるとだんだん効いてきます。シンポニーはその中間ぐらいです。ステラーラは症状があまり重くなく外来で治療が可能な軽症~中等症でステロイドが切れない患者さんや 再燃を繰り返す慢性持続型の患者さんが良い適応です。これはエンタイビオも共通するところです。粘膜が脱落したような重症例は経口剤のプログラフがよいでしょう。ステラーラは投与後2ヶ月では症状が少し良くなった(有効)患者さんは多いのですが完全によくなった(寛解)はあまり多くありません。継続して投与するとだんだん効きがよくなります。また最初はあまり効果がなくても患者さんはつらいと思いますが我慢して投与すると4ヶ月後以後効果でてくる患者さんがいらっしゃいます。(late responder)。ステラーラは 効果が弱くなる原因の抗薬物抗体ができにくく副作用がすくないのが特徴です。ステラーラを投与して少しでも症状がよくなれば3回 (半年程度)ぐらいまで投与し病状を観察して効果を判定するとよいでしょう。このお薬は維持治療になると3ヶ月毎の投与ですが以前に生物学的製剤で治療がうまくいっていない患者さんは2ヶ月毎に投与するほうが効果が上がります。