2020/8/28 ステラーラ®UC適応拡大記念Web セミナー

岩手医科大学 教授 松本 主之 先生講演

潰瘍性大腸炎治療の現状と課題 ―COVID-19の影響も含めて―

 

松本先生が新型コロナウィルス感染症(新コロ)の現在の状況について紹介してくれました。潰瘍性大腸炎(UC) クローン病(CD)の患者さんは新コロに一般の方よりも罹りやすいことはありません。また 万が一コロナに感染しても重くなりやすいこともありません。今調子が良い患者さんは現在の治療を継続して病気を悪化させないことが重要です。免疫を抑えるお薬を使用すると新型コロに感染しやくすなるのではないかと心配されているかもしれませんが 特にレミケード インフリキシマブ ヒュミラ ステラーラなどは使用していても感染のリスクにならないようです。ですので おなかの調子がよい(寛解期)の患者さんは今行っている治療をできるだけ続けることが大事で、今の治療を中止する必要はありません。お腹の調子が悪くて 下痢 下血(肛門からの出血) 腹痛 発熱などがあり病気の経過がよくないと新コロに感染しやすく、また重くなりやすくなります。ステロイドを投与中(20㎎/日≧ プレドニン5㎎で1日4錠以上)のUC、CDの患者さんは 新コロによる入院 集中治療室での管理 人工呼吸器使用が高くなります。それに比べてレミケードなどの抗TNF-α抗体、ステラーラ使用中の患者さんは重症になりにくようです。新コロが流行っている地域では潰瘍性大腸炎 クローン病患者さんの治療に長期にステロイドを使用するのは避けた方がよいかもしれません。但し必要な場合はこれまでの通り十分量を服用し速やかに評価して速やかに減量すべきです。いずれにせよ患者さんは新コロが心配な時は主治医の先生とよく相談することが大切です。