2020/8/28 Takeda IBD 全国Webセミナー

潰瘍性大腸炎診療における疑問点を紐解く

関西医科大学付属病院 内科学第三講座(消化器肝臓内科)主任教授 長沼 誠先生 講演

 

今回は今年4月より関西医科大学の教授になられた長沼先生が日常の潰瘍性大腸炎治療の疑問点に答えてくれた講演です。まず現在、日本では潰瘍性大腸炎治療の基本薬(5-ASA製剤)はペンタサ リアルダ アサコールと3種類が使用可能です。これらのお薬の間には寛解導入 維持などで効果に差はなく 症状が激しくなければ一つのお薬で効果がなくなった時にすぐステロイドに行くのではなく、別の5-ASA製剤に変更可能です。変更したら2週程度で効果を見極めます。潰瘍性大腸炎中等症の治療に5-ASA製剤高容量にするのかステロイドにするのかについて ステロイドの方がよいのは 病状が進行性、40歳以下 内視鏡が重症 CRPが高い アルブミンが低いなどの条件を複数持つ方です。重症で生物学的製剤やゼルヤンツ使用時には(重症になった原因に5-ASAアレルギーの可能性があるので)5-ASA製剤は中止してもよいです。イムランはレミケード ヒュミラには併用すると効果が上がりますがエンタイビオやステラーラには併用しなくてもよいです。生物学製剤を使用すると生ワクチンの接種が困難になるのですがエンタイビオは注意すれば投与可能です。