2020/9/9 Crohn’s disease Web Seminar
東京慈恵医科大学 内科学講座 消化器・肝臓内科 主任教授 猿田 雅之先生 講演
ウステキヌマブ(ステラーラ)による新たなクローン病治療の展望
~理論と実践を踏まえて~
慈恵医大の猿田先生が文献と自験例を織り交ぜクローン病治療におけるステラーラの立つ位置を教えてくれました。ステラーラはIL12とIL23を抑制するお薬ですが IL-12はクローン病の初期の病態に関与し IL-23は炎症が進行した長期の病態に関与しているそうです。抗TNF-α抗体はだんだん効果がなくなってくる(2次無効)が問題点ですが この原因は 抗TNF-α抗体に対する抗体(抗薬剤抗体)ができることです。ステラーラは抗薬剤抗体ができにくいお薬です。そのためイムランを一緒に服用しなくてよいです。ステラーラに適した患者さんは バイオ製剤を初めて使用し あまり重症でない方によく効きます。特に投与後8週目にCRPが低下していると効果が長持ちします。腹部エコーで腸管が最初は厚かったのが炎症が取れて薄くなります。抗TNF-α抗体(レミケード、ヒュミラ)ほどではありませんが肛門病変にも効果があります。CRPと便中カルプロテクチンで経過を追うとこれらが上昇した時は4か月後に再燃するかもしれないので 検査をして治療を考えなおすことも必要です。 抗TNF-α抗体(レミケード、ヒュミラ)の2次無効の時、お薬を変えるとすると エンタイビオよりステラーラの方がよく効きます。