2021/1/19 Takeda IBD 全国Webセミナー

潰瘍性大腸炎治療におけるベトリズマブ(エンタイビオ)の位置づけは?

-最適なモニタリングを含めて-

岡山大学 炎症性腸疾患センター センター長、准教授 平岡 佐規子先生講演

 

潰瘍性大腸炎治療の基本は5-ASA製剤+ステロイド+イムランです。この治療法ができないのは5-ASA製剤、ステロイド イムランに副作用がある方 または(専門的ですみませんが)NUDT15遺伝子多型:Cys/Cys(リスクホモ)の患者さんです。大腸カメラで深掘れ潰瘍があり栄養状態が悪い(アルブミン≦2g)の患者さんは入院してサンディミュンかプログラフがよいでしょう。下痢 下血 血便 腹痛などの症状が強くて関節痛などがある患者さんはレミケードがよいです。下痢 下血 血便などの症状がなくなった時(寛解期)には便中マーカー:便中カルプロテクチンが最も内視鏡所見と相関します。潰瘍性大腸炎に対するエンタイビオの投与ですが好適患者さんは ステロイド依存症で減量中におだやかに再燃した症例です。症状がなくても便中カルプロテクチンが上昇した時にもよいでしょう。レミケード、ヒュミラの効果減弱した時は激しい再燃でない時がよいです。

一般に生ワクチンはステロイド、レミケード、ヒュミラ、ステラーラは投与前に3か月休薬が必要とされていますがエンタイビオはその必要はありません。但し経口ワクチンは投与してもワクチンの効果がでません。