2021/1/22 ゼルヤンツ潰瘍性大腸炎Web講演会

腸管外合併症から見た炎症性腸疾患の診断と治療

藤田医科大学 長坂 光男先生 講演

 

長坂先生が炎症性腸疾患(クローン病 潰瘍性大腸炎)の腸管外合併症と亜鉛欠乏について解説してくれました。 クローン病 潰瘍性大腸炎は免疫異常で発症するので腸以外に体のいろいろな臓器に他の病気をおこします。潰瘍性大腸炎:20%~30%、クローン病患:40%程度の患者さんが腸管外合併症をもつと報告されています。多いのは関節痛 関節炎 皮膚疾患 尿路結石 胆石 結膜炎などです。慢性疲労症候群も合併し20%ぐらいの患者さんが心療内科を受診しています。亜鉛は酵素機能の安定に役立つ微量元素で炎症性腸疾患の40%程度に亜鉛欠乏があるとされています(特にクローン病)。特に腸管切除後の患者さんに多いとされています。亜鉛が欠乏する(<60μg/dl)とマクロファージが活性化して炎症が増悪し 下痢 腹痛 血便 口内炎 アフタなどの潰瘍性大腸炎やクローン病の症状によく似た症状がおこります。亜鉛が上昇すると下痢 腹痛 血便などの症状が改善すると報告されています。亜鉛投与によりIBDの症状緩和に役立つかもしれませんね。