2021/10/23 Humira IBD Forum 2021 in Tokyo

ヒュミラの新用法・用量がもたらす価値とは? -ヒュミラ高用量維持臨床試験結果から-

埼玉医科大学総合医療センター 消化器・肝臓内科 准教授 加藤 真吾 先生が上記演題で講演してくれました。

 

潰瘍性大腸炎にヒュミラを投与し効果があった患者さんをその後4年間経過をみると約40%が2次無効になり治療の強化が必要でした。ヒュミラの潰瘍性大腸炎治療において2次無効:年率26%と報告されています。ヒュミラの潰瘍性大腸炎治療の特徴は治療継続による治療反応性の向上で だんだん効いてきます。レミケード シンポニーは最初に効果が最も高くだんだん効果がおちてきます。ヒュミラは潰瘍性大腸炎軽症症例(pMayo:4~5)に治療を継続すると最も有効です。治療開始後8週までにこれまでの投与量:標準治療と 投与量の多い:高用量投与を比較すると残念ながら8週目の治療効果(寛解導入率:10%程度)は同等でした。8週で有効であった患者さんを標準治療と高用量投与の2群に分けて約1年間経過をみると1年後の寛解率は標準:30% 高用量:40%で高用量の方が良い成績でした。ステロイド離脱率も高用量の方が同様によい成績でした(標準:54%、高用量:70%)副作用は同じ程度でした。ヒュミラ投与後8週で寛解になった患者さんは増量投与の必要はありませんが 改善(前よりよくなったがまだ症状が残る)の患者さんには高用量で維持治療するほうがよいでしょう。80mg隔週と40mg毎週ではヒュミラのトラフ濃度は同じなので患者さんの利便性に応じて選択すればよいです。