2021/11/5 JDDW Lunch on Seminar

潰瘍性大腸炎に対するステラーラの投与方法を札幌厚生病院の本谷 聡先生が講演してくれました。

 

潰瘍性大腸炎治療において抗TNFα抗体(レミケード、ヒュミラ、シンポニー)全く効果がない(1次無効)患者さんが約40%以上存在します。1次無効を患者背景から予測するのは現時点では難しいです。長期の寛解維持率もレミケードで投与開始5年後 投与全体の30%程度 ヒュミラも投与全体の25%程度(海外のデータでこのうち半数は増量投与しています)です。投与開始後 短期的に効果があった患者さんでもレミケードで2年たつと寛解維持できているのは50% エンタイビオ:75%です。エンタイビオ ステラーラは長期の投与維持率が高いので 病気の重症度を考慮して寛解導入できやすい症例を選択することが非常に大切です。エンタイビオの効果は PSL依存<イムラン不応<レミケード ヒュミラ不応<ステロイド抵抗 ですので活動性の低い症例が適応です。ステラーラは投与後2週でも割合有効率が高く イムラン不応の症例に投与するとよいでしょう。効果予測ですがアルブミンや貧血の程度に相関はないようですがCRP>2.0であると効果が低下します。分子標的薬の他剤抵抗例でも有効な場合があり3年で50%~60%投与継続できます