2021/11/9 IBD standard therapy Vol.8

潰瘍性大腸炎における感染症リスク時のGMA(白血球除去療法)の役割

上記の演題で福岡大学の平井教授が講演してくれました

 

白血球除去療法は有効率60% 寛解率30%で治療開始後3回目に効果判定しそれまでに効果がなければ治療継続しても効果はでないようです。白血球除去療法の治療効果が期待できる条件は 病気の活動性が低い(軽症で血便回数が少ない)、罹病期間が短い(<1年) ステロイドの投与量が少ない <60歳 バイオ製剤を使用していない などです。レミケード投与中の効果減弱時に併用するとレミケードの効果が回復できる場合があります。潰瘍性大腸炎の難治化の原因の1つにサイトメガロウィルス腸炎がありますが白血球除去療法はこれに対しても有効です。またクロストリジウムディフィシル感染が潰瘍性大腸炎 クローン病で増加する傾向にあり難治化の要因の1つです。エプスタイン・バーウィルスに感染していない患者さんにイムランを投与すると血球貪食症候群 リンパ腫のリスクが上昇するので投与前に感染の有無を確認することが必要です。