2021/12/2 IBD診療Web Seminar

IBD患者のスマートなマネージメント

~プライマリケアと連携治療~

 

東京山手メディカルセンター 炎症性腸疾患内科部長/IBDセンター長

深田 雅之先生

 

上記の演題で深田先生が潰瘍性大腸炎 クローン病のプライマリケアについて解説してくれました。潰瘍性大腸炎の軽症、中等症の多くは5-ASA製剤(ペンタサ アサコール リアルダ)、局所製剤を併用して病変の範囲別に治療すると80%以上の症例で有効(症状がす少しでも改善)です。一方で40%程度の方は寛解(症状が病気発症以前の状態に戻る)になりません。このような場合すぐにステロイド経口投与に進む前に 現在の治療の再評価と最適化:5-ASA製剤の投与の工夫 特にアサコール リアルダがそのまま便中に排出される(ゴーストピル:炎症が強いと消化管のPHが上昇しにくく アサコール リアルダが割れない)時はペンタサに変更するとよいでしょう。また潰瘍性大腸炎は粘膜が治っても約30%の症例に下痢の症状がのこる:過敏性腸症候群症状の合併があります。便中カルプロテクチンなどを利用してその除外も必要です。また服薬状況の確認は必須です。腸管感染症の否定も必要です。また最近5-ASA不耐が増加していますがその原因がメサラジンでなくてコーティングによるものも多いです。クローン病はペンタサの効果は限定的で、回盲部病変にのみ高用量で有効です。バイオ製剤で粘膜治癒達成できていないときはゼンタコート追加で達成できることがあります。