2021/2/24 大分機能性消化器疾患研究会

排便異常をきたす疾患の診断・治療

福岡大学医学部消化器内科学講座 主任教授 平井 郁仁先生 講演

 

大分大学消化器内科教授の村上先生が座長をして福岡大学の平井先生が上記の演題で講演してくれましたが炎症性腸疾患に関係するところをまとめてみます。便を移植して腸内細菌を変化させると糖尿病は難治性の腸管の真菌感染症がなおることがわかってきました。そのため腸内細菌も一つの臓器で 内臓肥満は消化器疾患であるとの認識もでてきました。炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎 クローン病)の患者さんにも腸内細菌が乱れてよくない変化(ディスバイオーシス)をしています。潰瘍性大腸炎に対する便移植の効果(腹痛 下痢 血便 下血などをよくする)は限定的で 移植する便がより良い(より良い菌が多くて多様性が保たれているもの)ことが重要です。また抗TNF-α抗体に栄養療法を併用すると抗TNF-α抗体の効果が長持ちしますが 栄養療法の量は600 kcal(エレンタールなら2本、ラコールなら3本)でよいです。炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)の患者さんのなかでヘリコバクターピロリ菌感染もしている方は少なく、ヘリコバクターピロリ菌がいない患者さんは炎症性腸疾患になりやすいですとのことです。