2021/2/27 IBD Web forum

IBD診療 Update:モニタリングと基本治療

 

北里大学研究所病院の福田先生が5-ASA製剤(ペンタサ アサコール リアルダ)の最近のトピックスを紹介してくれました。5-ASAは血液中に吸収されないように工夫して作られていますが血中に吸収されるとイムランの働きに影響します。5-ASAはTPMP活性を阻害して6-MMPを減らし(肝障害を改善)6-TGNを増加させます(イムランの働きがよりよくなる) ペンタサはリアルダ、アサコールより血中に吸収される割合が多いので イムラン(6-TGN)の濃度を上昇させ再燃予防効果が向上します。 ペンタサとイムランを服用している患者さんが再燃して、ペンタサをリアルダに変更すると肝機能障害がでてきたり再燃しやすくなることもあります。アサコール リアルダはペンタサに比べ血液中に吸収されにくく リアルダに変更すると6-TNGの濃度が落ち 6-MMPが上昇し再燃 肝機能障害などがでてくる場合もあります

最近 5-ASA製剤(ペンタサ アサコール リアルダ)が副作用のため服用できない患者さん(5-ASA不耐)が増加してきました。そのうちの70%は投与数週間後に発熱や下痢が増悪する5-ASAアレルギーで 30%が膵炎 肝炎などです。5-ASA不耐の方は長期でみると予後が悪く手術に至る例が多いです。DLST(薬剤によるリンパ球刺激試験)陰性の患者さんは5-ASA変更で服用可能になります。サラゾピリンに変更すると40%程度が服用可能です。アレルギーの程度が軽症であれば5-ASA変更を考慮し 症状が重篤であればステロイド、イムラン、エンタイビオ ステラーラ投与などを考慮します。同じ5-ASA製剤でも坐薬や注腸剤は使用可能です