2021/3/18 Stelara Digital Symposium
クローン病患者さんの医学的寛解のその先を考える
北里病院の日比先生が司会をして 岩手医科大学の松本先生、佐賀大学の江崎先生 東京慈恵医大の猿田先生がクローン病患者さんに対するステラーラの使用方法を討論してくれました。ステラーラは炎症の上流のサイトカインをブロックするお薬で治験と実地臨床のデータを総合すると まだ生物学的製剤が未使用か使用しても1剤までで 瘻孔や痔瘻がないクローン病患者さんによく効きます。痔瘻 瘻孔にも効果はありますが徐々に効いてきます。粘膜だけでなく小腸大腸の腸管全層の炎症もキチンと改善し副作用は少なく17%でプラセボよりも低く、効果減弱率は7%です。投与開始1年後に効果があった患者さんは長期効果を維持でき 投与後すぐに治療効果が出た方は12週毎の投与で長期に継続できます。但し抗TNF-α抗体が最初から全然効かなかった症例をステラーラに変更しても効果が期待できません。また粘膜の潰瘍が治る(粘膜治癒)のにレミケードやヒュミラより時間がかかりますがそのような患者さんには(投与していなければ)イムランを併用すると潰瘍が治ります。でも潰瘍の治りがゆっくりな点は特に小腸で狭窄しにくくなるので本当は良いところかもしれません。ヒュミラとステラーラが効果の発現の速度や効き方の点で似通っている印象です。ステラーラのクローン病患者さんの好適症例は小腸に主病変のある 瘻孔 痔瘻のない中等症のかたです。