2021/3/3 Takeda IBD Webセミナー in Oita

潰瘍性大腸炎におけるエンタイビオの位置付けを考察する

佐賀医科大学内科学講座消化器内科 教授 江崎 幹宏先生 講演

 

大分大学消化器内科の村上先生が司会をして佐賀大学の江崎先生が潰瘍性大腸炎におけるエンタイビオの使用方法を解説してくれました。腹痛 下痢 下血 血便などの症状が中等症でまだステロイドを使用したことない患者さんに最初に使用するお薬はステロイドです。ステロイドが効かない患者さんに対しては日本人では症状を良くするには(寛解導入)にはレミケード ヒュミラがよくて、悪くならないようにする(寛解維持)にはシンポニーやヒュミラが有用です。ステロイド難治例に対しては現在使用できる分子標的薬は7種類あるのでどれを使用するかは 重症度 治療歴 年齢 感染のリスク 腸管外合併症 妊娠の希望 薬剤のコストなどを考慮して決定していきます。エンタイビオは70歳以上の患者さんでも感染などのリスクは若い人と変わりがないです。関節痛に対しては腸病変と症状が平行する患者さんには効果がないようです。妊娠に関しては抗TNF-α抗体と安全性は同等のようです。効果発現のスピードは日本人に関しては抗TNF-α抗体と比較するとゆっくりですが欧米人では結構早いようです。