2021/3/5 Kyorin WEB サロン

難病研究班 治療指針から見たIBD治療の進化

東邦大学医療センター 佐倉病院IBDセンター センター長 鈴木 康夫 先生 講演

 

難病研究班の前のリーダー 東邦大学 佐倉病院の鈴木先生が日本におけるIBD(潰瘍性大腸炎、クローン病)治療の歴史をまとめてくれました。最初の頃は炎症を非特異的に制御するお薬(ステロイド、ペンタサ、サラゾピリン、経腸栄養、イムランなど)、次は炎症を特異的に制御する治療(白血球除去療法、プログラフ、シクロスポリンなど)、最近は炎症に関わるある一つの分子を抑える治療(レミケード、ヒュミラ、シンポニー、エンタイビオ、ステラーラ、ゼルヤンツなど)に変遷がみられます。クローン病は進行する病気で 進行すると腹部手術になるので 将来手術になりやすい患者さんを早めに発見して生物学的製剤などで治療を開始することが大切です。潰瘍性大腸炎の患者さんの半数はあまり悪くならないのですが、難治例に対しては各種のお薬の特性を十分理解し、患者さん個々の病態、社会背景、病歴などから長期の経過を把握して最も合った治療方法をマッチさせることが肝要です。