2021/5/15 日本消化器内視鏡学会ランチョンセミナー

潰瘍性大腸炎治療の進歩とウステキヌマブ(ステラーラ)の役割

岩手医科大学医学部内科学講座 消化器内科消化管分野 教授 松本 主之先生 講演

 

上記の演題で松本先生が講演してくれました。潰瘍性大腸炎の治療目標は臨床寛解(粘血便血便 下痢 腹痛などがなくなる)と粘膜治癒(内視鏡検査で潰瘍なくなる)です。短期的には症状の改善、長期的には内視鏡寛解とQOLや精神的健康の向上を目指します。その途中はCRP FCP LRGなどのバイオマーカーで経過観察します。FCP:便中カルプロテクチンは内視鏡的粘膜治癒と相関しますが値のバラツキが大きいです。LRGは腸管炎症以外に膵癌 肺がん 卵巣癌などでも上昇します。潰瘍性大腸炎におけるステラーラの実臨床の成績、特に副作用ですがだいたい1年以内におきて クローン病のステラーラの市販後調査では副作用は5% 重篤な副作用は2%で発熱 倦怠感 上気道炎を認めました

潰瘍性大腸炎における抗TNFα抗体の重症度による使い分け;重症:レミケード≧シンポニー=ヒュミラ、中等症:レミケード=シンポニー=ヒュミラ