2021/5/24 Takeda IBD全国Webセミナー

クローン病の栄養管理

大阪市立大学 消化器内科 講師 鎌田 紀子先生 講演

 

大阪市立大学の鎌田先生がクローン病の栄養療法とエンタイビオの使用方法を講演してくれました。

栄養療法(エレンタール ラコール)はキチンと服用できれば治療効果は高く 小児ではエレンタールによる栄養療法はレミケードと治療成績がかわりません。エレンタールで2パックから3パック(600kcal~900kcal)以上摂取するとレミケードの効果減弱を予防できます。栄養療法を最初に導入して栄養状態を改善する(アルブミン値を上昇させる)とレミケード、ステラーラ エンタイビオなどのバイオ製剤の効果がより良くなります。エレンタールだけを長期に飲むと 必須脂肪酸 脂溶性ビタミン 微量元素などが不足することがあるので適宜補充します。重症のクローン病症例に対してはバイオ製剤投与に加えて 点滴治療(中心静脈栄養、末梢静脈栄養)+絶食、ゼンタコート投与 栄養療法などを併用します。クローン病患者さんでエンタイビオ投与が適切なのは 下痢 腹痛 発熱などの症状が激しい重症患者さんではなくて 炎症を他の治療で押さえてから維持治療に使用することなどです。ヒュミラで維持治療中に軽い再燃を起こしたときや、ステロイドで寛解導入の後に再燃を防ぐために投与するとよいでしょう