2021/5/25 ヒュミラInternet Live Seminar

1.IBDと腸管外合併症

2.脊椎関節炎の最適なマネジメント

 

以上の演題で腸管外合併症は北里大学北里研究所病院の小林 拓先生、脊椎関節炎は大阪南医療センターの辻 成佳先生が講演してくれました。

潰瘍性大腸炎 クローン病は免疫異常で発症するので病気の主体は大腸 小腸ですが腸以外に関節痛 関節炎 皮膚疾患 尿路結石 胆石 結膜炎などの腸管外合併症(Extra Intestinal Manifestation: EIM) を併発することがあります。患者さんのうち約60%で1つ、20%で2つ以上のEIMを併発します。EIMの3/4は潰瘍性大腸炎 クローン病と共に発症し 腹痛 下痢 下血 血便 発熱などの元の病気の症状に合わせて良くなったり 悪くなったりします。ブドウ膜炎 強直性脊椎炎 原発性胆汁性肝硬変などは元の病勢と関係しません。潰瘍性大腸炎 クローン病のEIMの強直性脊椎炎は背骨の変形を防ぐため早くから治療した方がよく、レミケード ヒュミラ シンポニーなどの抗TNF-α抗体が有効です。原因のはっきりしない いわゆる腰痛は一般に3か月以内に改善しますが 3か月以上持続し 40歳未満で ゆっくり腰痛がひどくなり 運動するとよくなり 安静にすると悪化し 特に夜間痛みが悪くなる腰痛は強直性脊椎炎を疑ったほうがよいでしょう。