2021/6/11 第117回 日本消化器病学会 九州支部例会 シンポジウム1
炎症性腸疾患に対する診療の現状と将来像
学会のシンポジウムを聴講したのでその内容を僕なりにまとめてみました。
潰瘍性大腸炎において、新規薬剤の好適症例は
ゼルヤンツ:ステロイド抵抗症例 重症 他のバイオ製剤が効果ない、イムランに副作用
エンタイビオ:ステロイド依存例 軽症~中等症 副作用が懸念される症例、他の治療法で寛解導入した後の寛解維持
ステラーラ:幅広い対象 中等症 他のバイオ製剤が効果ない、他の治療法で寛解導入した後の寛解維持
クローン病ではステラーラは最初に使用するバイオ製剤としても適当で 中等症で効果を発揮し利便性が高い(2か月 または 3か月毎の皮下注) イムランの併用は必要ない
メサラジン(ペンタサ アサコール リアルダ サラゾピリン)が服用できない患者さん:5-ASAアレルギーの症例は10%程度存在し以前より増加している。投与後2週間以内に発熱 下痢、肝機能障害などで急激に発症する
クローン病、潰瘍性大腸炎の患者さんに対しては 治療指針 ガイドラインなどのコンセンサスを頭に置きながら それぞれの臨床経験を基にしたコツを加えて治療するとよいでしょう。