2021/6/11 日本消化器病学会 九州支部例会 ランチョンセミナー

炎症性腸疾患内科治療の最前線

~血球成分除去療法の新たな位置づけを中心に~

 

以上の演題で久留米大学の光山先生が司会をして 大阪医科薬科大学の中村先生が講演してくれました。白血球除去療法(GMA)の作用機序は 1日に作られる顆粒球の約10%を除去して自然免疫を抑えることにより潰瘍性大腸炎 クローン病の病態を改善します。白血球除去療法(GMA)をより効果的に使用するには 病勢が中等症以下、罹病期間がみじかい ステロイドの投与量が少ない 再燃後早期に治療 血液検査で白血球が少ない などが条件です 血液処理量は2L以上で週2回以上施行するとさらに効果的です。最も適した症例は 軽症 外来患者さん ステロイド依存症 腸管外合併症(関節炎 結節性紅斑)がある 高齢者です。具体的な使用方法として ①レミケード効果減弱した時(この時 併用すると50%でレミケードの効果が復活して投与継続できます)②生物学的製剤使用後に効果不十分、または まだ効果が出る前の時の併用 ③ステラーラ エンタイビオなどの効果発現がゆっくりな薬剤投与開始時に最初から併用 ④副作用などでステロイドが使用できない患者さんにステロイドを投与せず血球除去療法(GMA)で治療を開始(80%に有効)