2021/7/21 ヒュミラ Internet Live Seminar

クローン病治療のTreat to Targetとヒュミラの有用性

北里大学 消化器内科 横山 薫 先生

 

クローン病は診断時に 小腸病変の評価に加えて 膿瘍 内瘻 外瘻 痔瘻 狭窄など外科治療が必要な病変がないかをしっかり判定することが必須です。若年 広範囲の小腸病変、肛門病変などを複数有する場合はトップダウンでバイオ製剤を投与します。投与開始後3ヶ月で病状を評価し必要があれば治療を最適化します。そうするとその後の入院 手術が減ります。バイオ製剤が出現する前は臨床寛解していても粘膜はなおっていないことが多かったのですがバイオ製剤のおかげで粘膜治癒も達成できるようになりました。小腸の粘膜治癒の画像評価が困難なのでLRG 便中カルプロテクチンなどのバイオマーカーで確認するとよいでしょう。日本人のクローン病ではヒュミラを投与して4週で寛解に至った患者さんは5年後もそのうちの70%が寛解維持されています。抗TNFα抗体の副作用で乾癬様皮疹をおこすparadoxical reactionがありますが 他のバイオ製剤 分子標的薬でも起こり得ます。