2021/8/24 UC Topical Therapy Seminar

潰瘍性大腸炎の局所治療と病診連携の重要性

ひだ胃腸内視鏡クリニック 院長 樋田 信幸先生

 

樋田先生が上記の演題で潰瘍性大腸炎直腸型の特徴とレクタブルの使用方法を教えてくれました。潰瘍性大腸炎ではどんな病型でも直腸に炎症があります。もともと全大腸炎型でも寛解後に再燃すると直腸にのみ炎症を認めることがあります。発がんリスクは全大腸型:15倍 左側型:3倍 直腸型:1.7倍ですが 不思議なことに炎症性発がんは左側に多く潰瘍性大腸炎患者さんの発がんの50%は直腸、30%がS状結腸です。5-ASA製剤(ペンタサ アサコール リアルダ)は経口薬ですがメカニズムより考えると局所治療です。経口薬はS状結腸 直腸の潰瘍性大腸炎には効きにくいです。また5-ASA坐薬 注腸剤は直腸より炎症範囲が拡大するのは防ぐことができませんので併用が望ましいです。再燃時に下痢が増加すると接触時間が減るので経口5-ASA製剤(特にアサコール リアルダ)の局所濃度が減少します。レクタブル注腸はアドヒアランスが向上し 抗炎症作用が強く 従来のステロイド注腸剤より副作用が少ないのが良い点です。局所ステロイドは種類を変更すると効果を発揮することもあります