2022/1/20 IBD医療連携WEB講演会 in 大分
潰瘍性大腸炎診療における適切なアプローチを考える
~基本治療と病診連携の重要性~
上記の演題で岡山大学病院 炎症性腸疾患センター センター長の平岡 佐規子先生が講演してくれました。
クローン病はTNFαが病態の中心ですので抗TNFα抗体が効果を発揮しますが 潰瘍性大腸炎は病態が複雑なので治療薬は満遍なくサイトカインを抑えるほうが望ましいです。
潰瘍性大腸炎に使用する5-ASA製剤はサラゾピリン、ペンタサ、アサコール、リアルダがあります。サラゾピリンは切れ味のよいお薬ですが副作用がやや多く 浮腫 発疹 頭痛などに注意が必要です。アサコールは体内への吸収が少ないのが良い特徴です。患者さんには この中で飲むことのできる薬剤を選択してもらえばよいでしょう。イムランは若年者に投与するときはEBウィルスの感染をチェックしたほうがよいでしょう。日本人ではリンパ腫は少ないですが皮膚癌に注意が必要です。タクロリムスは入院でステロイド抵抗性の重症患者に投与しますが栄養状態の悪い(アルブミン低値)患者さんにも効果があります。投与前にお薬が有効か予測できるバイオマーカーはありません。