2022/1/28 ビオフェルミンWEBセミナー

お腹の免疫から知る健康法

久留米大学 免疫学 主任教授 溝口 充志 先生 講演

 

新型コロナウィルス感染症のような病原体から体を守ってくれる生体防御が免疫です。ウィルス感染→自然免疫(マクロファージ)→獲得免疫と体内で免疫が活性化します。獲得免疫においてB細胞は中和抗体産生により感染予防 T細胞は重症化予防を担っています。感染から獲得免疫活性化まで72時間かかりますがこの時間のギャップを短縮してくれるのがワクチン接種です。免疫は弱すぎると感染しやくすなり 強すぎると自らを攻撃してアレルギー疾患 自己免疫疾患をおこします。免疫は弱すぎても強すぎてもだめでバランスが重要ですが このバランスを保ち健康も守ってくれるのが「お腹(腸管)の免疫」です。腸管には体内の60%以上の免疫細胞が存在します。日本人の腸内細菌の特徴はアングロサクソンと比べて 感染症にかかりやすい 癌になりやすい おならがくさくない 海草を分解できるなどです。抗生剤やPPIなどお薬の服用、加齢 肥満 偏食などで腸内細菌が変化すると糖尿病 肝硬変 脂肪肝 大腸癌 動脈硬化 自閉症 アルツハイマー病 クローン病 潰瘍性大腸炎などの発症の元になるかもしれません。下痢気味やおならが臭くなるのが腸内細菌変化の兆しです。腸内細菌は胃に1000個 小腸に1億個 大腸に10兆個存在し 小腸には乳酸菌 大腸にはビフィズス菌がいます。乳酸菌はビフィズス菌の餌をつくります。また食物繊維の摂取によりビフィズス菌は酪酸 酢酸を作り その結果 調節制T細胞が増加して免疫のバランスを保ちます。ビフィズス菌が減ると悪玉菌が増加して栄養素を異なった物質に代謝して免疫に影響を与えます。便秘のさいはまず カマグを先に服用して胃酸をPH3~4に中和した後にビオフェルミンを服用するとより効果がよくなります。食物アレルギーは最初に皮膚に抗原が暴露され その後に食物摂取によるアレルギーが発症すると言われています。ですので 最近は最初に何でも食べさせる方が食物アレルギーの予防になるようです。皮膚は免疫活性の場 腸管は免疫抑制の場です。