2022/10/27 JDDW2022サテライトシンポジウム
千葉大学の加藤先生と関西医科大学の長沼先生が潰瘍性大腸炎の基本治療とレクタブルの使用方法を講義してくれました。
5-ASA製剤(ペンタサ アサコール リアルダ)は粘膜保護剤みたいなもので 外来患者さんでCRP正常 貧血なく 内視鏡で潰瘍がない場合に適応になります。
イムランは効いた時の安定性はバイオ製剤を凌ぐものですが副作用が多く用量の個人差が大きいのが欠点です。
ロイケリンはイムラン、アザニンより副作用は少なくなりますが保険適用がありません。
5-ASA製剤、ステロイド、イムランを使用しても症状が改善しないときはadvanced therapyになりますがその前に基本治療を見直すことが大切です。特に潰瘍性大腸炎の場合 局所製剤の併用が効果を上げます。
ペンタサ坐薬は治験の成績では3日で50%、7日で70%血便が消失しますがアドヒアランスの考慮が必要です。
レクタブル注腸はステロイド注腸ですがアンテドラッグなのでバイオアベイラビリティーが10~20%で低く副作用が少ないのが長所です。またフォーム剤ですので患者さんの受け入れが他の注腸剤よりも良好です。理論上はS状結腸まで到達しますが直腸のみしか届いてない場合が実臨床では見受けられます。投与すると2週で約50%のかたが 血便が消失し 4週で活動性スコアが平均で寛解状態になります。あくまでステロイドですので投与期間は12週程度までですが市販後調査では22%の先生が12週以上使用されていました。活動性が中等症の外来患者さんで経口ステロイドの前の治療として使用するとよいでしょう