2022/12/21 リンヴォックインターネットライブセミナー

エキスパートに聞く

潰瘍性大腸炎におけるリンヴォック使用のポイント

東京慈恵医科大学 内科学講座 消化器・肝臓内科 主任教授 猿田 雅之 先生が上記の演題で講演してくれました。

 

潰瘍性大腸炎の医師から見た治療目標は完全粘膜治癒:MES:0です これを達成すると1年後の再燃率は14%ですが さらに組織学的治癒まで到達すると再燃率は5%に低下します。

ステロイドは2回まで投与可能ですが 3回目の再燃では次の治療に変更したほうがよいでしょう。

リンヴォックの良い点は内服後 すぐに症状が改善するところです。臨床症状に複数の改善点があれば有効と判断し治療を継続します。リンヴォックの最適な患者さんはバイオ製剤を投与しても完全に寛解にならない、バイオ製剤未投与、重症度の高い などの患者さんです。

JAK阻害薬は低分子化合物のため胎盤を通り抜けるので妊婦さんには投与できせん。投与開始時には45㎎/日投与しますが維持治療の時は30㎎/日と15㎎/日を選択できます。安全性を重視した方が良い患者さんには15㎎/日 多剤無効の難治の患者さんには30㎎/日を選びます。副作用は感染症に注意することと 帯状疱疹です。その発症のリスクは ステロイド投与中 高齢 以前の帯状疱疹発症 などです。投与開始して数年経てから発症することもあります 患者さんに帯状疱疹のことをよく説明して理解したいただき その兆候があればすぐに医療機関に受診してもらうことがとても重要です。

リンヴォックは低分子化合物なので寛解状態が長期に継続している患者さんは一時休薬ができるかもしれません。