2022/2/13 第18回 日本消化管学会 ランチョンセミナー2
IBD治療におけるT2Tの問題点を考案する
上記の演題で佐賀大学の江崎幹宏先生が講演してくれました
潰瘍性大腸炎では重症で治療後の高度炎症の痕跡(炎症性ポリープ 狭窄)は大腸癌のリスクになります。完全粘膜治癒:MES0は 粘膜治癒:MES1より再燃しにくく 無症状でもMES1を治療するとその後再燃が減ります。クローン病では臨床寛解(下痢 腹痛がまったくない)の状態でも内視鏡で観察すると大腸では80%が粘膜治癒していますが小腸では粘膜治癒は36%にしかすぎません。小腸も大腸もまとめてカプセル内視鏡で検査をして治療を強化すると予後が改善されます。
便中カルプロテクチン(FCP) 便潜血反応(FIT) 血液マーカーであるLRGなどのバイオマーカーが潰瘍性大腸炎 クローン病の経過観察に使用される機会が増えてきています。疾患活動性の評価 再燃の予測 粘膜治癒の推測などに用いられます。潰瘍性大腸炎では完全粘膜治癒:MES0の推測にはLRG<FCP<FITです。クローン病ではFCPも小腸病変の重症度に相関しますがLRGの方が鋭敏です。LRGもFCPと同様に 個体間のバラツキ アッセイ方法のバラツキが問題点です。