2022/2/14 Ulcerative Colitis Web Seminar

潰瘍性大腸炎治療戦略 ~外来治療の最適化を目指して~

銀座セントラルクリニック 院長 鈴木 康夫 先生

 

潰瘍性大腸炎は1991年2.2万人が現在 約22万以上 クローン病は1991年7200人が現在約7万人以上と推計され30年間で約10倍に増加し 潰瘍性大腸炎 クローン病の診療は消化器外来では通常の診療の一部となってきました。的確な内視鏡診断と5-ASA製剤、ステロイドの基本治療の実践がまずすべきことです。潰瘍性大腸炎初発例 非難治例は 病型 重症度 病勢(病状の進展度合い)を考慮して治療します。難治例(ステロイド抵抗例 ステロイド依存例)は 病型(最重症部位の評価) 重症度 病勢 難治性(ステロイド抵抗性 または ステロイド依存性)患者背景 治療の特殊性 患者意思(Shared Decision Making)を考慮します。必要かつ十分な治療を行い 速やかな症状の消失 粘膜治癒(内視鏡的 顕微鏡的) 長期の安全性を目標にします。難治例(特に左側型 全大腸型)の治療においては 最重症部位の粘膜評価と病状の進展度 スピード感を特に勘案することが大切です。難治例で治療が奏功しない時は 治療歴の再確認と 最重症部位の再評価が必要でしょう。生物学的製剤で治療すると直腸に炎症がのこることがあります。手術も想定しないといけないような重症の入院患者さんにプログラフが有効で 急速飽和すればシクロスポリンと同等の効果があります。海外の治験では重症例に対しシクロスポリンとレミケードは同等の成績を収めています。患者背景を考えると潰瘍性大腸炎の病態は多種多様です。ステラーラは生物学的製剤未治療例と生物学的製剤効果減弱例とであまり効果に差がありません。また効果が長期に継続されます。ステラーラは 患者さんに優しく 有効 持続可能な優れた治療法です。