2022/3/16 Humira Internet live seminar
潰瘍性大腸炎におけるヒュミラの高用量投与の意義を考える
慶應義塾大学 内視鏡センター 教授 緒方 晴彦 先生が司会をして 東北大学 消化器内科 助教 志賀 永嗣 先生が講演してくれました。
潰瘍性大腸炎 クローン病症例の経過観察の方法として最近T2Tアプローチが提唱されています。これは治療目標の設定をし厳密な疾患管理を行うものです。内視鏡的寛解(潰瘍性大腸炎では完全粘膜治癒:MES0、クローン病ではno ulcer)が達成されると長期に入院と手術が減ります。潰瘍性大腸炎: 外来で診療できる中等症~重症の患者さんに最初に投与したらよい生物学的製剤はレミケードまたはエンタイビオ(中等症がよいです) 効果減弱した場合はステラーラかゼルヤンツを投与します。(ネットワークメタアナリシスによる評価です)
大切なのは投与後に病状に合わせて治療を調整して最適化することです。
内視鏡検査でわずかに炎症が残っている(MES1)の場合 治療を加えると先々の予後がよくなります。ヒュミラを投与した場合2週後ぐらいの早期に抗薬物抗体が産生されると効果減弱になることが多いので早めに増量したりイムランを併用します。増量した場合 毎週40mg皮下注か 2週毎80mgのどちらがよいかですが 毎週40mg皮下注すると トラフ濃度が安定することと 毎週治療することにより しっかり治療している気分になる(逆プラセボ効果)があるので可能な患者さんは毎週投与がよいでしょう。