2022/3/28 Takeda IBD 全国Webセミナー

これからの潰瘍性大腸炎の治療

~ベドリズマブ(エンタイビオ)をどう活かすか~

辻仲病院柏の葉 消化器内科部長 IBDセンター長 竹内 健 先生講演

 

潰瘍性大腸炎の治療中にバイオマーカー:便中カルプロテクチン(FCP) 血液マーカーであるLRGを利用するとより精緻な経過観察ができます。

エンタイビオで潰瘍性大腸炎患者さんの治療中10週までに便中カルプロテクチンが低下してくると以後 長期に有効です。腹痛 下血などの症状があまり改善していなくても便中カルプロテクチンが低下傾向であれば 粘って投与すると徐々に効果がでてきます。

治療薬の有効性の指標のひとつに投与継続率があります。お薬の効果があり副作用がなく投与継続していることが大切で 効果がないのに漫然と投与しているのは意味がありません。便中カルプロテクチンの低下がなければ治療薬の変更が必要です。

便中カルプロテクチンは継続して測定し患者さんにその数値を実際によく見てもらうことが重要です。低下傾向であれば臨床症状も含めた改善を実感してもらえます。上昇したときは5-ASA製剤の服薬が減ってないかなど日常生活を振り返ってもらえます。

患者さんと便中カルプロテクチンのデータを共有しその意義を理解してもらえれば おのずとキチンとサンプル(便)を提出してもらえます。