2022/3/3 Crohn’s Disease Web Seminar
腹部超音波検査によるクローン病のPoint-of-Care
上記の演題で 川崎医科大学 消化管内科学 准教授 松本 啓志 先生が講演してくれました。
クローン病の管理において大切なことは適切なタイミングで治療を行うことです。それに加え、狭窄への対応が病初期も後期も重要です。基礎研究ではTNFαを産生するマクロファージは大腸に多く レミケードがよく効かないクローン病患者さんの血中ではIL12/23 IL17が高値です。そこでIL23をターゲットにするとクローン病小腸病変に効果があるかもしれません。小腸狭窄拡張後レミケードを投与して再狭窄した場合 次の拡張後にはステラーラ(抗IL12/23抗体)に変更して再狭窄が防げたという症例報告があります。
Point-of-Care:その時その場で行う医療 のことですが クローン病では腹部エコーで治療効果判定がその場ですぐにできます(これがPoint-of-Careにあたります) クローン病の狭窄は、繊維性か炎症性かその両方の混合性か見分けるのが困難ですが腹部エコーを利用すると見分けやすくなります。IL12, TGFβの上昇の結果 繊維が増殖し繊維性狭窄がおこってくるのでIL12/23を抑制するステラーラは小腸狭窄を抑えてくれるのかもしれません。