2022/4/23 日本消化器病学会 モーニングセミナー

北里大学北里研究所病院 の小林 拓 先生がペンタサの最近の話題について講演してくれました。

 

5-ASA製剤(ペンタサ アサコール リアルダ)は潰瘍性大腸炎治療の基本のお薬で お薬をより多く服用するほうがより有効ですが ペンタサ錠剤は量が多くて服用するのが難儀です。ペンタサ顆粒は添加物を減らして総重量を減量しているので、細粒がいやでなければ飲みやすくなりました。血中の5-ASA の上昇は6-TGNを結果的に上昇させイムランの潰瘍性大腸炎改善効果がより良くなります。またイムランの副作用である肝機能障害が起こりにくくなります。ペンタサはアサコール リアルダに比較して 5-ASAの血中濃度が高くなるのでイムランと併用するとより効果的です。ペンタサとイムランで維持療法している患者さんが再燃した際 ペンタサをリアルダに変更すると肝機能障害が発症したり 潰瘍性大腸炎がより増悪することがあります。アサコールをリアルダに変更しても肝機能障害などの副作用がでやすくなるようです。イムランと5-ASA製剤を併用している場合、 5-ASAを変更する場合はイムランの寛解維持に対する貢献度を考慮するほうがよいでしょう。潰瘍性大腸炎治療中に症状は特にありませんが直腸に軽度(MES1程度)の炎症が残存する場合があります。最近の研究では このような病変は将来重篤な再燃を起こしにくいので 粘膜治癒を目指してペンタサをリアルダに変更などしなくてもよいようです。