2022/4/26 ゼルヤンツ潰瘍性大腸炎適正使用m3Web講演会
UC Tofacitinib 有効性と安全性のupdate
上記の演題で筑波大学 滋賀医科大学 教授 安藤 朗 先生がご司会をされ、大阪医科薬科大学 第二内科 専門教授 中村 志郎先生がご講演されました。
ゼルヤンツは汎JAK阻害薬でマルチサイトカイン抑制がその作用機序です。JAK抑制の効果はJAK1>JAK3>JAK2の順です。投与後8週たっても効果があまりない患者さんにも少しでも改善傾向があればさらに投与継続すると症状が改善する場合があります。20㎎→10㎎に減量すると1年以内に25%の患者さんが再燃し20㎎に戻すと実臨床では60%の患者さんが再び寛解になります。ですので減量は急がず投与後半年以上経過して内視鏡で完全寛解(MES0)を確認後にしてからのほうがよいでしょう。副作用に関してゼルヤンツを服用すると帯状疱疹は増加しますが そのうち90%は非重症で 大半の症例でゼルヤンツを中止することなく帯状疱疹が治療されています。関節リウマチの患者さんではレミケード ヒュミラ シンポニーを投与した患者さんと比較すると心血管イベント、腫瘍が増加しましたが潰瘍性大腸炎の治験の長期経過のデータでは血栓も含め それらは増加していません。