2022/5/13 第103回 日本消化器内視鏡学会総会
特別講演2 潰瘍性大腸炎における炎症発癌と内視鏡診断
慶應義塾大学病院の岩尾 泰 先生が上記演題で講演してくれました。
潰瘍性大腸炎に関連した炎症による大腸癌(UCAN)は 罹病期間が短く若年であっても慢性炎症が持続する患者さんはUCANのリスクが高いです。一般には全大腸型がUCANのリスクが高いですが、左側大腸炎型でも慢性炎症が持続する患者さんでは発がんのリスクは低くありません。潰瘍性大腸炎の発がん予防には内視鏡的寛解を目指すことが大切ですUCANの初期病変は隆起型が約6割 平坦型が約3割です。初期病変を発見するための大腸内視鏡検査で留意する点は 場所は 直腸 S状結腸で 特徴的な所見は 潰瘍瘢痕が多発、鉛管状 狭小化 炎症性ポリープなどで 他部位に活動性炎症がある そのような部位の中で 領域を有する発赤です。疑ったらインジゴカルミン散布やNBI拡大すると認識しやすくなります。特にインジゴカルミン散布が有用です demarcation lineが区別できると腫瘍の可能性が高いです。病理学的にはUCANの診断にp53染色が必須です。