2022/5/14 第103回 日本消化器内視鏡学会 コーヒーブレイクセミナー
新規経口潰瘍性大腸炎治療薬 カログラについて 北里研究所病院の小林 拓 先生が講演してくれました。
潰瘍性大腸炎の基本治療薬は5-ASA製剤(ペンタサ アサコール リアルダ)とステロイドです。最近5-ASA不耐の患者さんが専門施設では約10年前の4倍、全体の20%弱を占めるぐらいまで増加しました。またステロイドを全身投与すると全体の2/3の症例でステロイド難治例となりその中の80%が依存例となります。現在までは5-ASA製剤が無効な時にステロイドに変わるよい薬剤がありませんでした。カログラはステロイドの代わりになり得る内服薬です。日本人の中等症の潰瘍性大腸炎患者さんを対象にした治験では8週後の粘膜治癒率(MES0):14%でした。投与後寛解になったら中止します。最長で6ヶ月まで投与できます。中止後再投与まで2ヶ月あけることが必要です。中止すると1年間では30%程度の患者さんが再燃しましたが再投与で同程度の治療成績 副作用の頻度でした。
カログラの適応は 5-ASA製剤不耐の患者さん ステロイドの使用が躊躇される患者さんと思われます。