2022/6/9ゼルヤンツ潰瘍性大腸炎Webセミナー
兵庫医科大学 炎症性腸疾患センター 准教授 渡辺 憲治先生がUC narrativeに関する講演をしてくれました。これは日本の患者さんと医師がそれぞれ病気についてどう考えているかをレポートしたものです。日本の医師は患者さんのメンタルヘルスや体のきつさに気をつかっていない傾向があります。医師は「病状の悪化がないか?」「副作用がないか?」と質問しますが患者さんは癌のリスクや日々の生活が楽になることを欲しています。医師の優先順位は粘膜治癒 仕事・家事ができているかですが、患者の優先順位は 外出時にどこにトイレがあるか 癌の心配はないか 疲労や全身倦怠感の軽減などです。医師は患者さん一人一人に十分診察時間をとれないことを申し訳なく思っていますが 最初から答えを用意して患者さんに質問し答えを誘導しています。医師からの質問に半数の患者さんは正直にこたえていないそうです。患者さんは症状がなくなれば病気が治っている すべてよいと思っています(注釈:実際は症状がなくても粘膜に炎症が残っている場合があり将来の再燃のリスクになります)70%の患者さんは医師とのコミュニケーションに満足していますが 50%の患者さんはたくさん質問をすると医師から嫌われるのでないかと心配しています。2/3の患者さんは潰瘍性大腸炎にならなければ人生はもっと成功していたと答えましたが やはり2/3の患者さんは潰瘍性大腸炎になったことで人生の大切なことを学んだと答えていました。