2022/7/30 愛知IBD WEB講演会

クローン病における貧血の諸問題

上記の演題で名古屋大学医学部付属病院 消化器内科 講師の中村 正直先生が座長をされ よこやまIBDクリニック 院長 横山 正 先生が講演してくれました。

 

炎症性腸疾患(クローン病 潰瘍性大腸炎)の貧血は 潰瘍からの出血による鉄欠乏 慢性炎症に伴うもの またこの二つの混合で発症します 鉄は小腸上部で吸収されます 鉄の内服薬は胃腸障害のため服用できない患者さんにしばしば遭遇します。その場合インクレミンシロップなら飲める場合もありますが保険適応上は小児にしかありません。回腸末端を切除すると尿路結石ができやすくなります。またビタミンB12(VB12)も回腸末端で吸収されるので回盲部切除後のクローン病患者さんはだんだん大球性貧血を起こしてくる場合があります。VB12は肝臓で貯蔵されているのですぐには貧血はおこりませんが手術後数年すると大球性貧血が進行してきます。これに対しては3ヶ月毎にVB12を筋肉注射します。