2022/9/25 ペンタサ25周年記念WEB講演会

東京慈恵会医科大学 消化器内科・肝臓内科 主任教授 猿田 雅之 先生と北里大学北里研究所病院 炎症性腸疾患先進治療センター センター長 小林 拓 先生が潰瘍性大腸炎におけるペンタサの有用性を講演してくれました。

 

潰瘍性大腸炎患者さんの60%は軽症、30%が中等症で 75%は外来で治療可能です。イムランをうまく使用すると寛解維持に役立ちます。バイオ製剤などの分子標的薬が必要な患者さんは全体の15%程度でしょう。5-ASA製剤(ペンタサ アサコール リアルダ)は潰瘍性大腸炎治療の基本のお薬ですが錠剤で服用すると服用錠数が多いのが難点です(pill burden) ペンタサ顆粒はペンタサ錠剤に比較してpill burdenを減らすことができます。負担を減らして利便性を高めることで内服薬治療の最も重要なアドヒアランスの向上に役立ちます。

潰瘍性大腸炎の維持治療に有用なお薬であるイムランは副作用が多いのが欠点です。イムランの代謝産物 6-TGNが上昇するとより治療効果が上がります。6-MMPは上昇すると肝機能障害が増悪します。血液中5-ASAはイムランを代謝する酵素のTPMTを抑制して6-MMPの濃度を低下させ6-TGNの濃度を上昇させます。5-ASA製剤とイムランを併用している場合 ペンタサはアサコール リアルダより血液中に吸収される量が多いので結果としてイムランの肝障害を抑え 寛解維持機能を高めています。イムラン アザニンを併用中 何らかの理由で5-ASAローテーションによりペンタサからアサコール リアルダに変更すると肝機能障害が出現したり、イムランの効果:寛解維持が落ちることもあり得ます。最近増加した5-ASAアレルギー患者さんには 直腸型の場合は局所製剤やサラゾピリンで加療します。全大腸型にはバイオ製剤などの分子標的薬が選択されることもあります。