2022/9/3カログラ錠新発売記念講演会

-潰瘍性大腸炎の治療戦略のパラダイムシフトに向けて-

上記の演題で 日本の炎症性腸疾患のトップリーダーが一同に会席し 講演 パネルディスカッションが行われました。

 

潰瘍性大腸炎は日本では現在も増加しており 一国としてはアメリカ合衆国に次ぐ多さになっています。

新規経口潰瘍性大腸炎治療薬:カログラは日本で開発 治験が行われたJapan Originalのお薬です。ステロイド難治例に対する薬剤はどんどん増加してきていますが5-ASA製剤治療難治からステロイドの間の現状の治療空白域を埋めてくれる薬剤です。潰瘍性大腸炎治療において寛解導入に特化し、5-ASA製剤(ペンタサ アサコール リアルダ サラゾピリン)の次、ステロイドの前に使用できます。この薬剤は再投与しても有効で安全性も優れています。治験の成績では有効性は投与後12週まで上昇します。左側型>直腸型>全大腸型で有効でした。1日24錠服用しなければならないのがカログラの欠点です。

Pill burden(服用錠数が多いこと)はアドヒアランスと有効性の両方にマイナスに働きます。アドヒアランス向上のためには最初の2週間しっかり服用していただき効果を実感してもらうとよいでしょう。効果発揮し投与中止するさいは血便の消失だけでなく粘膜治癒(MES0,1)まで達成した方が再燃しにくいです。再燃しても再投与で同程度に効果があります。全体として26週以内の投与であれば投与中止後8週明けずに再投与もできます。投与後には白血球が増加します。経口剤なのでお薬の飲み合わせに注意が必要です 高コレステロール血症薬 抗結核薬(リファンピシン) 妊娠への影響はまだ不明です。能書上はカログラ内服中は避妊するようになっています。カログラのよい適応は 5-ASA不耐症例 5-ASA高用量を投与しても寛解にはもう少しで至らない症例です。

現状では薬剤の有効性の事前予測はできないので どのような患者に効果があり どのような患者に効果がないかを研究することが大切です。Head to headの試験結果は実際の臨床では役に立ちません 副作用はレトロスペクティブな解析で充分役立つので市販後調査の結果を解析することが重要です。

やりっぱなしの医療をしない(T2Tアプローチ)ことが大事です。