2023/11/2 JDDW2023ブレックファーストセミナー

腸内細菌を起点とする臓器連関

慶應義塾大学 消化器内科 教授 金井 隆典 先生が上記の演題で講演されました

 

腸と脳は免疫を司るうえで密接に関わっています(腸脳相関) 「病は気から」、「医食同源」という言葉があります。確かにストレスや暴飲暴食によりクローン病 潰瘍性大腸炎は再燃します。

腸と肝と脳は迷走神経を通じて腸管Treg細胞の機能を維持しています。腸内細菌の変化は肝臓に伝わり 左の迷走神経肝臓枝を通じて 脊髄に伝わり そこから自律神経を介して腸管内のTreg細胞の増加を促進します(肝-脳-腸 迷走神経反射による腸管Tregの維持) 過去に迷走神経を切断すると後で炎症性腸疾患が増加するとする疫学研究があります。

甘い物が好きかどうかはその方の腸内細菌が決定しているので腸内細菌を変えることにより糖尿病や肥満の治療が可能になるかもしれません。 腸内細菌は 小腸上部は糖の嗜好性、小腸下部は免疫機能の制御 大腸は炎症性腸疾患の発症に関わるとされてきました。腸内細菌は大腸が小腸より圧倒的に多いので その研究は大腸の菌でされることが多かったのですが今後は小腸の腸内細菌の研究がすすむと思われます。腸内細菌の一種であるC.butyricumは酪酸などの短鎖脂肪酸を増加させることによりdysbiosis を是正します。プロバイオティクスは消化管を通過中にそれぞれの場所で異なった働きをしています。